赤ちゃんをお風呂に入れる時は全神経を集中させる必要があります。
何故かって?
子供が足を滑らせてお風呂で溺れちゃう可能性があるからです。
小さな子供をお風呂に入れるときに押さえるべき基本のポイントは次の6つ。
- 子供の安全確保(溺れないように)
- 入浴のタイミング
- 子供が寒くないように
- 子供の身体は優しくきちんと洗う
- 大人は素早く洗って済ます
- お風呂上がりの保湿など
ワンオペで子供2人をお風呂に入れるときは、このミッションを達成するため自分の能力全てを注ぎ込みます。
また、お風呂の入れ方は子供の行動可能範囲によって変わってきます。
- 生後0~約1ヶ月後(新生児) : 沐浴
- 生後約1ヶ月~3ヶ月 : 浴槽で沐浴
- 生後3ヶ月~腰が据わるまで(生後5,6ヶ月):バウンサーorバスチェアを活用
- 腰が据わる~生後8ヶ月頃まで :バスチェアを活用
- 生後8ヶ月~立てるまで : うろちょろさせる^_^;
ワンオペで子供をお風呂に入れるときに押さえるべき基本のポイント
子供をお風呂に入れる時、押さえておきたい5つのポイントについて解説します。
①子供の安全確保
子供のお風呂での死亡事故は起こります。
事故の多い年齢は0~1歳、ちょっと目を離した隙にも起こってしまう可能性あり!
実は、お風呂での事故の発生は消費者庁も注意喚起しているほどよく起こるのです。
子どもが浴室で溺水し死亡する事故が多く発生しています。厚生労働省「人口動態調査」及び医療機関ネットワーク事業の事故情報を消費者庁で分析したところ、以下のことが分かりました。
・子どもの中でも0~1歳の入浴中の溺水事故が最も多い
消費者庁「御家庭内での子どもの溺水事故に御注意ください!」
・子どもの入浴中の溺水事故は入院が必要と診断されている事故が半数以上で、死亡事故も発生している
・大人が少しの時間目を離している隙に発生する事故が多い
・わずかな水深でも事故が発生している
大人が2人居て、子供を洗った後にもう1人が受け取ってお風呂から上げてくれればなんてことないのですが…
これがワンオペになると急に難易度が上がります。
子供を安全にお風呂に入れるために必要なことは
とにかく目を離さない!ことです。
シャンプーを流す時も根性で目を開けておく気持ちを持ちましょう!
②入浴のタイミング
入浴のタイミングで押さえたいポイントは次の3つ
- 食後30分以上経ってから
- できれば夕方
- 子供が寒くないように
食後30分以上経ってから
授乳直後の入浴はミルクの吐き戻しの可能性があるからです。
赤ちゃんの胃はまだ未発達で胃の入り口(墳門)の筋肉がまだ弱いため、ちょっとした刺激で吐き戻しやすいのです。
かといって、お腹が空いているタイミングは避けましょう。
なぜなら、機嫌が悪いから!
赤ちゃんの機嫌が悪い時にお風呂に入れるとバタバタ動くことが多く、溺れてしまう原因に!
食後30分以上経って程よくお腹が満たされている時を狙いましょう
できれば夕方〜夜
これは生活リズムに関係します。
お風呂に入ると身体が温まり、その後1時間くらい体温が放熱されて眠たくなってきます。
つまり、お風呂のあと1時間で睡眠のタイミングが来ることが多いです。
ただ、生まれて数ヶ月の赤ちゃんはまだまとめて寝ることができないので、できる範囲で時間を調整していきましょう。
1番の優先は安全にお風呂に入れること。
機嫌がいいタイミングを見計らってお風呂に入れましょう。
お風呂の時間帯を利用して生活リズムも整えていきましょう。
③子供が寒くないように
赤ちゃんは体温調節が未熟なため、冬場のお風呂は要注意!
赤ちゃんの身体は皮下脂肪が少ない上に、体重あたりの表面積が多いので身体の熱が逃げやす特徴があります。
乳児の体温は環境の温度(環境温)に大きく影響を受けます。それは、成人に比べて乳児が熱を失いやすい身体的な特徴を持っているからです。乳児は皮膚や皮下脂肪が薄いため体の内部の熱が体表面に伝わりやすく、また体重あたりの体表面積が成人のおよそ3倍であるため、熱が逃げやすいのです。
テルモ体温研究所「乳幼児の体温の特徴」
つまり、赤ちゃんは冬の寒さに弱いんです!
北極に住むホッキョク熊は身体が大きく(体長200~300cm)、熱帯に住むマレー熊は小さい(体長140cm)
身体が大きいと体重に対する表面積が小さくなり、身体の熱が逃げにくく、寒さに強くなります。
チワワちゃんは冬寒そうですが、秋田犬は寒さに強そうなイメージがありますよね!
具体的な寒さ対策を紹介するよ。
赤ちゃんをお風呂に入れる時の寒さ対策具体例
①部屋を暖める
お風呂上がりはとにかく寒い!事前にお部屋を温めておくことはもちろん、洗面所に暖房器具があれば活用しましょう。
②ギリギリまで服を着せておく(腰が据わるまで)
子供2人をお風呂に入れる必要があるので片方を洗っている間、もう片方は待ってもらう必要があります。
待機場所はすぐお風呂に入れるように洗面所です。
洗面所で待つ間は裸だと寒いのでギリギリまで服を着せておきます。
服を脱いですぐお風呂に入れるように洋服の紐をあらかじめ解いて準備します。
肌着の内紐も忘れずに!服を脱がせた上からタオルをかけておくのも良いですよ。
自分はお風呂でずぶ濡れだから洗面所は極寒です。
サッとお風呂に連れて行けるように準備をしておきましょう。
③お風呂上がりの着替えは万全の準備を
お風呂から上がったらサッと身体を拭いて、湯冷めしないうちに素早く服を着させます。
この時、赤ちゃんに着せてあげる服は全て袖を重ねて準備しておくと楽です。
お風呂に入れる前の準備が大切です。
④子供の身体は優しくきちんと洗う
赤ちゃんの肌はデリケートで汗っかき。大人の2~3倍の汗をかきます。
お風呂の時は汚れをきちんと落として肌トラブルの予防をしましょう。
- 汗
- ミルク、ご飯の吐き戻し
- 股の隙間などのウンチ
などで汚れやすい首、脇、お尻、股、太腿と股の間の皮膚など汚れを見落とさないように!
また、洗い過ぎにも注意です。
生後3ヶ月くらいまではお母さんのホルモンの影響で分泌されていた皮脂のバリアも4ヶ月を過ぎる頃にはなくなり、外からの刺激を受けやすくなります。
赤ちゃんの身体を洗う時は刺激の少ない赤ちゃん専用のボディソープを使い、ゴシゴシ洗わない事!
手や指、ガーゼなどを使って優しく洗ってあげてください。
⑤大人は素早く済ます
一緒にお風呂に入る大人はとにかく早く!
なぜなら、上の子を洗っている間、自分を洗っている間も下の子は1人で待っているから!
当時の自分は全身トータル2分ほどで洗っていました。
他に子供をお風呂からあげてくれる人がいない限りは自分もサッとお風呂から上がりましょう。
赤ちゃんは以下の点から、お風呂の時間は短い方が良いと言われています。
- 体力がないのでお風呂は疲れやすい
- 長くお風呂に浸かると必要な皮脂まで溶け出して乾燥の原因になる
大人は身体を洗う時間、湯船に浸かる時間のどちらもサッと済ませます。
⑤お風呂上がりの保湿など
お風呂上がりにやっておきたいケアとして
- 肌の保湿
- 耳、鼻のケア
があります。
保湿について
実はお風呂で身体を温め過ぎると必要な皮脂バリアまで落とし、肌乾燥の原因になります!
赤ちゃんのお風呂の適温は夏場は38度、冬場は40度です。
また、お風呂の温度の他に入浴時間にも注意!
赤ちゃんは疲れやすいので入浴時間は短く済ませましょう。
赤ちゃんがお風呂につかる時間は5分前後がベストです。
お風呂から上がったらサッと身体を拭いて保湿クリームを塗ります。
保湿剤を塗布することで肌のバリア機能を保ち、皮膚にアレルゲンが入り込むのを防ぐ効果があります。
新生児への保湿剤の適用は、アトピー性皮膚炎の発症を防ぎます。国立成育医療センターから研究結果が発表されています。
新生児期からの保湿剤塗布によりアトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下することが分かりました。そして、アトピー性皮膚炎発症が卵アレルギーの発症と関連することも確認されました。
国立成育医療センター「世界初・アレルギー疾患の発症予防法を発見」
将来の美肌を守ためになるべく早くからの保湿ケアがおすすめです!
冬場のお風呂は40度で湯船に5分。
お風呂上がりは保湿クリームなどでしっかり保湿を。
耳、鼻のケア
お風呂上がりは耳や鼻の中のお掃除もしましょう!
赤ちゃんは自分で鼻をかめない上に、ミルクを吐きも出すこともあるので鼻くそ、鼻水が詰まっているかもしれません。
鼻が詰まっていると息苦しく、ミルクの飲みも悪くなります。
お風呂上がりに鼻の中をスッキリしてあげるとその後の寝つきも良くるので是非トライしましょう!
用意するもの
- 赤ちゃん用の細い綿棒
- ティッシュ
やり方は簡単!
細い綿棒をくるくる回しながら鼻の中や耳の中をお掃除するだけ!
ティッシュをこよりのように細くすると鼻水が取りやすいこともあります。
ワンオペで子供2人をお風呂に入れる手順
先ほど紹介した6つのポイントを押さえた上で、お風呂の入れ方を紹介します。
赤ちゃんの月齢によって手順が変わってきますので月齢別に紹介します。
①生後0~約1ヶ月後 (新生児がいる場合): 沐浴
赤ちゃん専用のベビーバスで沐浴を行います。
この時期はへその緒が取れたばかりでおへそが乾燥していないません。
おへそからの細菌感染リスクを減らすために大人とは別の浴槽(ベビーバス)を使ってお風呂に入れます。
上の子は赤ちゃんが寝ている間にお風呂に入れましょう。
②生後約1ヶ月~3ヶ月 : 浴槽で沐浴
生後1-2ヶ月を過ぎると赤ちゃんはベビーバスが少し狭くなってきます。
この頃になると、おへそも乾燥し浴槽でお風呂に入れるようになります。
しかし、生後3ヶ月までは首が据わっていないので手でしっかり頭を支えて沐浴させてください。
この時期の赤ちゃんはまだ生活のリズムが整ってないことが多く、数時間ごとにこまめに睡眠を取ります。
この時期も上の子は赤ちゃんが寝ている間にお風呂に入れましょう。
③生後3ヶ月~腰が据わるまで(生後5,6ヶ月) : バウンサー or バスチェアを活用
しっかり首が据わってきたら一緒にお風呂に入ります。
バウンサーを使う場合↓
- 上の子を洗う
- 上の子は浴槽待機、この間に自分をサッと洗う
- 洗面所のバウンサーで待機させていた下の子を浴室へ
- (冬の場合)下の子を浴槽で5分ほど温める
- 下の子を洗う
- 下の子をタオルで拭いてバウンサーへ。この時、湯冷めしないようにタオルをかけておく
- 自分はサッと拭いてタオルを巻く(着替えている暇はありません)
- 上の子をお風呂からあげてタオルで拭く
- 子供たちに保湿クリームを塗ってお着替え
- 最後に自分のお着替え
1,2番の間、赤ちゃんは洗面所で待機しています。
腰が据わるまでは赤ちゃんはバウンサーから抜け出てくることはありませんが、1人で心細いはず。
大好きなおもちゃを持たせたり、アンパンマンの音楽を流したり待っている間寂しくない工夫をしましょう。
我が家は携帯で音楽を流していました。
ポータブルDVDプレーヤーなどあれば重宝しそうですね。
バスチェアを使う場合↓
- みんなで浴室へ
- 赤ちゃんは一度湯船で温まる
- 赤ちゃんをバスチェアへ
- 上の子、自分を洗う
- 下の子を洗う。この間上の子は浴槽へ
- みんなで浴室から出て身体をタオルで拭く
- 自分はタオルを巻いて子供たちの保湿&お着替え
- 自分のお着替え
この時期のバスチェアは寝かせられるタイプを選びましょう。
浴室が広いお家は寝かせられるタイプのバスチェアも選択肢に入ってきます。
寝かせるタイプのバスチェアは距離を取ってないと大人が身体を洗う時の水しぶきが直に顔にかかってくるので要注意です。
④腰が据わる~生後8ヶ月頃まで :バスチェアを活用
腰が据わってくるとバウンサーから抜け出してきます。
そうなると、洗面所で1人で待機させるわけにはいきません。
この時期はバスチェアを使って初めから一緒に浴室に入るようにします。
お風呂の流れは先ほどのバスチェアを使う場合と同じ。
シャワーの水や身体を洗う時の泡で赤ちゃんの身体はバスチェアから滑り落ちやすくなります。
バスチェアを選ぶ際は滑り落ちないようにフロントガードかついているものを選びましょう。
始めからお風呂に連れて行くと赤ちゃんの様子も分かるので安心です。
⑤生後8ヶ月~しっかり立てるまで : うろちょろさせる^_^;
この時期になると、バスチェアにも座っていません。
バスチェアに座らせてもすぐに出てしまう子が多いのではないでしょうか。
そんな時は…もう、うろちょろさせておいてください^_^;
つかまり立ちが出来るからと言ってお風呂でも上手に立っているとは限りません。
足を滑らせて溺れてしまう可能性を考えたらう足下をうろちょろしてもらった方がよっぽど良いです。
赤ちゃんをうろちょろさせる際にはカミソリなど危険な物は片付けておきましょう!
番外編:我が家の場合、こんな工夫もしていました
ここからは我が家の場合のアレンジ点を紹介します。
各家庭で真似できること、できないことがあると思われますので参考程度にみてください。
- 生後5ヶ月頃まではお風呂は分けて入れる
- おもちゃの活用
- 上の子は後でお風呂からあげる
生後5ヶ月頃まではお風呂は分けて入れる
我が家は上の子が保育園に通っていたこともあり、
上の子がいない間に下の子のお風呂を済ませていました。
いっきに2人まとめてお風呂に入れるからさらに大変になります。
上の子のお風呂は下の子が寝ている間に済ませます。
(車で保育園の送り迎えをするので帰ってくる頃には下の子は眠ってることが多かったです)
下の子が寝ていない時は、お気に入りのDVDを流して長女とお風呂へ。
下の子がこまめに寝てくれる
こんな家庭はお風呂の時間を分けて入れてみてはどうですか?
おもちゃの活用
下の子をベビーチェアに座らせている間に持たせると時間稼ぎになります。
濡れても清潔に保てるもの
などを選んで使っていました。
使うおもちゃはお風呂専用に限らず、歯固めなど濡れても良さそうなものなどを使います。
数種類を使ってなるべく飽きにくい工夫をしました。
上の子がお風呂で待つときはふくらむスポンジなどを活用。
果物や動物、お花などいろんなシリーズがあって楽しめますよ^_^
上の子は後でお風呂からあげる
我が家は3歳差姉妹。
3歳にもなると1人で浴槽の中でしっかりたちことができます。
さらに、上の子はお風呂が大好きなお姉ちゃん。
1人でもお風呂に入っておきたいタイプです。
ですから、
- 私と下の子が先に上がる
- 下の子のお着替え、保湿、私の着替えまで終わる
- 下の子はお気に入りのDVDを鑑賞スタート
- 上の子をお風呂からあげる
と、余裕を持ってお風呂から上がることができました。
2歳以上歳の差が離れている家庭は試してみる価値ありです。
もちろん、お風呂で足を滑らせる可能性もあるので様子は見に行ってあげてください。
ワンオペで2人育児!お風呂をどうする?よくある質問
- バスチェアはどんなものを選べばいいですか
-
リクライニング式は月齢が低い時から使え、座るタイプは腰が据わってから使えます。
水はけの良い素材、赤ちゃんが滑り落ちない作りのものを選びましょう。
- 冬場のお風呂、バスチェアで待たせている間も寒そうです
-
待たせている間はちょこちょこかけ湯をしてあげると温かいですよ。
- 自分が頭を洗っている間、浴槽にいる子供が溺れていないか心配です
-
しりとりをしたり、お歌を歌ったり、子供の声が聞こえる工夫をすると安心です。
- 子供2人を同時にお風呂からあげる時、洋服を着るまでが寒そうです
-
子供用のバスローブを活用するとサッと羽織れて湯冷めしづらいです。
- バスチェアは嫌いのようで座りません
-
子供によってはママにくっついてないとダメな子もいます。
膝の上に座らせながら自分の身体を洗いましょう。
ワンオペで2人育児!お風呂をどうする?まとめ
ワンオペで子供2人をお風呂に入れるのは本当に大変です。
少しでも負担を減らすためにバスチェアなどの便利な道具やおもちゃを是非活用してください。
そして、お風呂の時間を分けれそうなら分けてなるべく負担を減らしましょう。
それだけでも終わった時の疲労感が全然違います。
また、たまには協力してくれる人がいたら頼んでください。
今が1番大変な時期です。
今を乗り越えた先にはいつの間にか子供同士でお風呂で遊ぶようになっていますよ^_^